戦争あかん!ロックアクション ―戦争法・秘密法廃止!―

【戦争あかん!ロックアクション ―戦争法・秘密法廃止!― 】戦争法強行可決を認めない!戦争法・秘密法廃止へ向けて、ロックアクションはこれまでの団体名を変更、リニューアル再スタートします。

緊急事態条項は「憲法停止ボタン」―安倍はいつでもこのボタンを押せる。

2016年7月6日のロックアクションで、永嶋弁護士より「緊急事態条項」についてたいへんわかりやすいお話しをいただきました。文字起こしを掲載します。

 

簡単なまとめ(まとめ文責はblog管理人)

憲法に緊急事態条項が盛り込まれ、実際に発動されたらどうなるか。


●政府は国会を通さず、国会がつくった法律と同じ効力を持つ「政令=政府の命令」をつくることができる。

●つまり、政府は今まで作られた法律を無視して、法律に従うことなく行政をおこなうことができる。
●秘密法も戦争法も盗聴法改悪も、政府は国会で通すのに苦労した。しかしそんな苦労は一切なくなり、共謀罪も、法律を作らなくても、国会で議論しなくても、政府の命令で作ってしまうことができる。

※どんなときに緊急事態条項を発動?

たとえば日本海にミサイルが飛んだ、地下鉄でサリンがまかれた、ストライキやデモやインフルエンザ、そういうときに緊急事態条項を発動して憲法を停止すると決めることが可能になります。


以下、永嶋弁護士のお話し。音声のみですが、ぜひお聞きください。文字起こしもどうぞ。

http://bit.ly/29PPg4K
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  (写真は4月6日に行われたロックアクションより)


<緊急事態条項は「憲法停止ボタン」> 
                               

永嶋靖久弁護士

 

憲法に「停止ボタン」をつける、それが緊急事態条項の意味です。それを押すと、憲法が音を立てて止まってしまう。安倍晋三は、いつでもその停止ボタンを押せる、そういうものだと考えて下さい。


もうすこし詳しく言います。4年前に自民党が発表した『日本国憲法改正草案』(以下、改憲草案)には、今の憲法にない緊急事態条項というのがあります。一定の場合に、内閣総理大臣は緊急事態を宣言できる。

緊急事態を宣言するとどうなるか。内閣は、国会がつくった法律と同じ効力を持つ「政令=政府の命令」をつくることができるようになります。
内閣は財政上の支出、その他必要な処分をおこない、地方自治体の長に必要な指示を出すことができる。何人もだれでも皆、国あるいは公共機関、市役所だとか消防だとか警察の指示に従わなければならないとなっています。


今の憲法では、一番上に憲法があって、憲法に違反しないように法律を国会がつくって、その法律に違反しないように内閣は政府の命令をつくって行政をおこなうとなっています。これは近代国家の最低限の常識です。

では、内閣が、「法律と同じ効力を持つ、政府の命令」を作るとはどういうことか。それは政府が今ある、今まで作られた法律を無視してもよいということ。法律に従うことなく行政をおこなうことができる。そういうことです。

戦争法や盗聴法改悪は、あのような国会でも通すのに政府は大変苦労しました。
今後は緊急事態を宣言してしまえば、そんな苦労は一切なくなる。共謀罪も、法律を作らなくても、国会で議論しなくても、政府の命令で作ってしまうことができる。それが「緊急事態」です。

改憲草案には「緊急事態の政府の命令は国民の基本的人権を尊重しないといけない」、そういうふうにわざわざ書いてあります。まさに基本的人権を侵害するからです。考えてみてください。

緊急事態を宣言すると、国民の人権を市民の人権を侵害しているかどうか、安倍晋三が判断する。彼だけが判断するようになる。まさに「憲法の停止」と言うしかない。

では、どんな時に憲法の停止ボタンを押せるのか。改憲草案では「外国からの武力攻撃、内乱など社会秩序の混乱、大地震など大規模な自然災害、その他法律が定める場合に緊急事態を宣言する」となっています。


戦争、内乱、災害、その他法律で決める場合、国会で、去年戦争法を決めたみたいにどつきあいをして、たとえば日本海にミサイルが飛んだ、地下鉄でサリンがまかれた、ストライキやデモやインフルエンザ、そういうときに憲法を停止できる、そう決めることが可能になります。

 

そもそも今はもう、日本という国では日本版NSC国家安全保障会議)が密室のなかで、どういう理由でなのか誰にも明らかにしないまま戦争を始めることができるわけです。

 

戦争を始めてしまえば、憲法の停止ボタンを押せる、そういうふうに憲法を変えようとしている。

熊本地震の時に菅官房長官が緊急事態条項の話をしました。しかし、憲法が大規模な災害の対策に邪魔ですか? 東北大震災の時のようなことが起これば、憲法を停止しないといけないのでしょうか。そんなことは絶対にないと思います。

 

4年前、(選挙で)自民党が勝ったときに、まず最初に96条改憲というのを持ち出しました。これは改憲の手続きを、今だと国会の3分の2が必要だけれどもそれを2分の1にして、もっと簡単に憲法を変えましょうと、そういう提案をした。これが、めちゃくちゃ評判悪いからいつのまにか消えてしまって、次にしたのは、閣議で憲法の解釈を変えて戦争法をつくる。これもめちゃくちゃ評判が悪くて、10何万人もが国会を取り囲んだ。
それで出てきたのが「憲法の停止」だったんです。

結局この議論は、どこからどうやってこの憲法を壊してしまうか、そういう議論でしかないということをはっきり頭に入れておかないといけない。

緊急事態条項というのは、言葉は難しいですが、ようするに憲法の「停止ボタン」です。安倍晋三が好きな時に押せる憲法の停止ボタン。そんなものを付けさせていいのか。

で、この選挙。自民党公明党が勝ってしまうと、改憲勢力が3分の2を超えてしまうと彼らは、いま私が話ししたようなことを進めていく。いま口にしないけど、まちがいなく進めていくだろうと思います。絶対にそんなことをさせてはいけない。頑張りましょう。 
(文責・題名ともロックアクション事務局)

 

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