戦争あかん!ロックアクション ―戦争法・秘密法廃止!―

【戦争あかん!ロックアクション ―戦争法・秘密法廃止!― 】戦争法強行可決を認めない!戦争法・秘密法廃止へ向けて、ロックアクションはこれまでの団体名を変更、リニューアル再スタートします。

戦争国家を作るための法律 盗聴法大改悪になぜ弁護士会が反対できないか 4/6ロックアクションより

 

盗聴法の大改悪。

 

この大改悪のどこか危険か。

 

この大改悪に、日本弁護士会は、正面切って反対できていない。民主党も反対できない。なぜか?


とてもわかりやすい永嶋弁護士のお話しです。

4月6日に行われたロックアクション@大阪でのアピールより。

 

盗聴法の大改悪と戦争できる社会を作るための一連の安保法制改正案 

永嶋弁護士のお話


動画はこちらから↓

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=Rop5UQArPgc#t=797

f:id:himitsulock:20150421235224j:plain

(文字起こし、ここから)

前回のロックアクションの続きのお話しです。


※前回のロックアクションのお話しはこちらから

  ↓   ↓

共謀罪、盗聴法など、こわい法案目白押し。3月半ばにも国会に上程か 3/6ロックアクションより|一日一回脱原発 & デモ情報in大阪 

http://ameblo.jp/amebloacchan/entry-12001637754.html

 

前回、3月の半ばにも盗聴法の改悪が国会上程されるというふうに報告しましたけれども、その通り、前回のロックアクションの一週間あと、3月13日、盗聴法の大改悪が国会に上程されました。

 

その内容ですけども、この前も言ったんですけど、

一つ目は盗聴できる事件の範囲が、大幅に広がります。

 

今までは、薬物と銃器と組織的殺人と集団密航、この4つだけだったんです。それがあと9種類の事件について盗聴できるようになります。

一つ目は、爆取、爆弾の事件、二つ目は放火、それから殺人、傷害、逮捕、監禁、詐欺、窃盗、誘拐、児童ポルノ、この9つの事件に関して盗聴できるようになります。

 

さらに、一人でする事件というのは盗聴しても意味がないはずですから、一応条件としては、なんか役割分担してその事件を起こしたと疑われる状況があればというふうに絞ってるというんですけど、絞ってるかどうか、よう分かりませんけどもね。

それと、これから盗聴は立会人が無くなります。今まではNTTとかの通信事業者のところに警察が行って、そこの職員の立会いのもと盗聴していたんですけど、それはもうNTTの方もうっとうしいし、捜査機関の方もうっとうしいということで、立会人なんか無し。通信を丸ごとハードディスクかなんかに落として記録して、それを暗号化して、警察に持って帰って盗聴しようと。そういうふうになります。これが盗聴法の大改悪。


それといっしょに司法取引というのが今度制度になります。

これはどういうことかというと、「私はあいつがした悪いこと知ってるから、罪を勘弁してください」―こういう取引を警察と被疑者の間ですることを認める制度です。

 

先月美濃加茂の市長という人が裁判で無罪になったということが新聞で大きく出ていました。あれは賄賂を贈ったということを自白した社長がいて、その人が「私はあの人に賄賂をおくったんですよ」と言ったけれども、

裁判所の方が、この社長っていうのが別の事件で捕まっとって、「自分の罪を軽くしたいから、そういうふうにしたんちゃうか、信用でけへんで」というので無罪になったんです。

 

今でも司法取引というのは制度があるわけじゃないけど、そういう冤罪を引き起こす可能性が非常にある。それを法律にきちんと作ってこれから取引しましょうという、そういうわけです。

 

これが、もうさっき言ったように国会に上程されていて衆議院の法務委員会ですでに審議が始まっています。

で、なかなか大変なのは、日本弁護士連合会、私も所属しているんだけれども、きちんと反対できていないんですね。民主党も反対できていない。

なぜかというと、この盗聴法司法取引っていうのが、取り調べの可視化、録音・録画ですよね。これとセットになって出てきているんです。

 

日弁連民主党も取り調べの可視化をするんだと言ってきたから、これとワンセットになって出てきている法律に反対できない。これに反対すると取り調べの可視化も実現できないということになってしまってるんですよね。

 

ところが考えたら分かるけど、こんなんセットで出てくること自体おかしい。

 

そもそも、取り調べの可視化、録音・録画っていうのは、厚生労働省の村木さんなんかの事件、要するに密室のなかで無理無理の取り調べなんかして自白取ろうというのは危ない、冤罪ができるんですよということで始まったはずなんですけども、それが今や司法取引みたいな冤罪を作りだすこととセットになって出てきている。

 

民主党国会議員が法務委員会の審議で、これがパッケージで出てくるのはおかしいんちゃうかという質問をしてるんですけど、その通りなんですね。でもなんかこれが無理無理パッケージで出てきている。


3月13日に18の弁護士会の会長、それとは別に京都の弁護士会の会長も反対の声明を出しているんですけども、日弁連としては反対できない。大阪弁護士会も反対の声明がでないという状況で国会審議は進んでいます。非常に危ない。

 

で、山本太郎さんが参議院で関連して質問しているんです。

可視化するっていうけれども、全逮捕事件の2%ぐらいです。これで可視化されるの。あとの98%どうすんねんというふうに山本太郎さんが聞いたら、役人は「無理です。これが限界です」。そういう答弁をしてるんですね。


盗聴の拡大のほうはどうかというと、今すでにあるんですけど、その4つの罪名で、この15年間に98か99されたというふうにいわれています。これがあと9種類増えるとどうなるか。詐欺と窃盗は認知件数だけで年間100万件です。実際にそれで検挙されるのは20数万人。

役割分担がとかいうからもっと減ると思うけど、それでもとてつもない数の盗聴が法的には可能になります。

山本太郎さんが、録音・録画は限界やいうけど、そしたら盗聴はどんだけ増えるねんて役人に聞いたんですね。そしたら「わかりません」て言うんですよ。「やってみないとわかりません」。

 

で傷害とか逮捕・監禁というのは労働運動とか市民運動やってると非常によくある罪名ですよね。

詐欺、窃盗、関係ないとみんな思うかもしれないけれど、例えば、あの活動家の子どもや身近な人間が、万引きとか置いてあった自転車に乗って行ったらしい、そら、盗聴してみようというふうにならないと言えるかどうか。

この国の警察は、もうだいぶ前、日本共産党国会議員の電話を違法に盗聴してたんですよ。これからそういうことが無いと言えるかどうか、とても危ないように思います。


で、この統一地方選挙が終わると、一連の安保法制の改正案が出てくるといわれています。

いろいろ難しい話しているけれども、基本的には安倍首相のいう「わが軍」が、グローバルにシームレスに、要するに世界中で切れ目なく、どこの国の軍隊ともいっしょになって活動できる、そういう法律を作ろうということなわけですよ。

 

今の時代の戦争というのは国境の外で兵隊さんがする戦争だけではないわけですよね。国境の内外を超えて戦争が行われて、そして戦争をする国っていうのは戦争できる社会をつくらなければいけない。

戦争する法律っていうのは、それができる社会を作る法律といっしょになってやってくる。それが盗聴法であり司法取引だろうというふうに思います。

 

なかなか厳しいけれども、こんなに危険な法律が今、国会にあるんだということを少しでも周りに広げて、弁護士会にはしっかりせんかいという声を届けて、それから国会議員、特に衆参両院の法務委員会に、絶対、こんな法律を通すなという声を皆さんといっしょに届けていきたいというふうに思います。
(文字起こしここまで)